Chrome拡張機能開発 Content Script備忘録
Chrome拡張機能の開発、Content Scriptの備忘録として、書き方のパターンをいくつか紹介します。
要素の出現を待つ処理
Content Scriptでは要素の出現まで待ってから処理を実行することがよくあります。そんな時に使えるテンプレートです。
N秒ごとの監視で要素の出現を待つ
1秒毎に指定した要素が出現したか確認し、10秒後に待つのをやめます。
DOMの監視で要素の出現を待つ
秒数ではなくDOMの監視によって要素の変化を待ちたい場合はMutationObserver
を使います。
最初から要素が見つかればすぐに要素を返して終わりです。
見つからない場合、MutationObserver
を使ったDOMの監視を開始します。
CSSの影響を拡張機能のUIだけに閉じたい
Content Scriptで挿入するUIは挿入される側のサイトのCSSが適用されます。
サイトのアップデートでスタイルが変わると、拡張機能のUIも当然変わり、視認性が急に落ちることも。
逆に、Content Scriptで拡張機能のUIに適用するスタイルが、挿入される側のデザインを大幅に変えることもあります。
それが目的ならよいですが、そうでない場合はCSSの影響を抑える工夫が必要です。
Shadow DOM
Shadow DOMを使うと、隠れたDOMツリーを取り付けてカプセル化できます。
もう少し具体的に、UnoCSS・React・Shadow DOMを使った例を書いておきます。
とはいえ、完全に分離されているわけではなく、一部のスタイルは通常のDOMから継承されます(参考:HTML Web Components とは何か | grip on minds)。
Tailwindを使うなら
Shadow DOMでTailwind CSSを使うにはかなり工夫が必要で、懸命な判断とはいえません。GitHubでもさまざまなやりとりがあります。
How to use Tailwind with shadow dom? · tailwindlabs/tailwindcss · Discussion #1935
どうしてもTailwindをContent Scriptで使いたい場合は、Shadow DOMは使わずpostcss-prefix-selectorを使いましょう。
postcss-prefix-selectorのインストール後、postcss.config.js
に次のように書くことで、CSSにprefixを付けることができます。
セレクタとしては.foo
が#myroot .foo
になるイメージです。この場合、idmyroot
の要素より下の要素だけにTailwind CSSを適用できます。
OptionやPopupではTailwind CSSを使い、Content Scriptでは使わない、といった検討もアリです。
ちなみに筆者はTailwind CSSのコンポーネントライブラリdaisyUIを使おうとしましたが、postcss-prefix-selectorと組み合わせるとうまくいきませんでした。
2024年6月17日追記:↓daisyUIをcontent scriptで使うための解説を別の記事に書きました。
Chrome拡張機能のcontent scriptでdaisyUIを使う | えいじのサイバー備忘録
Tailwindっぽく書けるUnoCSSのShadow DOMモードを使うのもいいかもしれません。
WXTはどうなの?
Chrome拡張機能のフレームワークWXTを使うのもありです。Content Script UI周りのAPIがいくつか用意されています。
ただ、「要素の出現まで待ってからマウントする」処理を書くのが複雑になったり、筆者の環境(WSL)だとリロードがうまくいかなかったりしたため、まだ実戦投入していません。
2024年6月17日追記:めっちゃいいです!
タグ#Chrome拡張機能にいくつか記事を書きましたので興味があればどうぞ!
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React・Svelte・Solid・Vueの例も掲載されていたり、Storage APIも用意されており、とても書きやすいです。
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Content Scriptはそもそも元のページが主体であるため、差し込むスクリプト側が神経質になるのは本末転倒ですね。ほどほどにしましょう。