【用語解説付き】初心者向けDaVinci Resolveの使い方
DaVinci Resolve初心者ユーザー向けの解説記事です。素材の取り込みから書き出しまでの流れ・使い方を説明します。
動画編集そのものが初めての方にも読めるように適宜単語を解説しています。
一度にたくさんの方法を伝えると混乱するため、ショートカットキーは後半でまとめて解説します。
プロジェクトの作成
まずはDaVinci Resolveを起動し、「新規プロジェクト」を押してプロジェクトを作成します。
プロジェクトって何?
プロジェクトとは、「この動画に使う素材はコレです!この素材をこんな風に加工します」とひとまとめにしたデータのことです。
「友人の結婚式の動画」「息子の成長記録まとめ」「人類補完計画」のように、「作りたい動画」と「プロジェクト」は基本的に1対1の関係です。
「基本的?じゃあ応用は何?」と思うかもしれませんね。たとえば、「息子の成長記録 ダイジェスト版」「息子の成長記録 完全版」のように、使う素材は一緒だけど編集が少し違う複数の動画は、同じプロジェクトの中で作ると管理しやすいです。
プロジェクト名の決め方
プロジェクト名は、これから作るであろう動画の分類方法に合わせてルールを決めると分かりやすいです。
筆者は管理しやすいように日付と内容の組み合わせにしてます。
プロジェクト名は右クリックから変更できるため、最初のうちはプロジェクト名で無駄に悩んで時間をかけることがないようにしましょう。
ページの種類
DaVinci Resolveは「音声」「モーショングラフィックス」など専用のページが用意されています。初心者が使うのは「エディットページ」「デリバーページ」の2つだけで問題ありません。
エディットページ(鉛筆アイコン)で編集をして、デリバーページ(ロケットマーク)で書き出します。
もしページの切り替えボタンが表示されていなければ、「ウィンドウサイズが大きくてはみ出ていないか」を確認してください。
または、メニューの「ワークスペース > ページナビゲーションを表示」にチェックがついた状態にすれば表示されます。
エディットページは次のような画面です。
もし表示されていない要素があったら、ページ上部のボタンをクリックしてみてください。
次の動画のように、切り替えができます。
素材を並べる
素材ファイルの追加
素材となる動画やファイルをD&D(ドラッグ&ドロップ)で追加します。
「プロジェクトフレームレートを変更しますか?」と表示されるかもしれません。
その場合は次の項目を読み、目的に応じて変更してください。
フレームレートとは?
フレームレートとは、1秒間に何枚の画像(フレーム)を表示するかの設定のことです。単位はfps
です。
たとえば、YouTubeのドキュメントには次のように「24~60が一般的だよね~」と書かれています。
一般的なフレームレートは 24、25、30、48、50、60 fps(1 秒あたりのフレーム数)です
迷ったら30にしましょう。
素材のフレームレートの確認
取り込む前に動画のフレームレートを確認したいなら、エクスプローラーのプロパティを見ましょう。
DaVinci Resolveのタイムラインのフレームレートは画面右下の歯車マークから見ます。
ピッタリ30じゃないですが、初心者にとってはややこしい話になるため、今は気にせずとにかく作業を進めましょう。
どうしても気になる人はググるなりAIに聞いてください。
タイムラインへの配置
タイムラインに動画をD&Dして配置します。
Spaceやプレビュー画面下のボタンを押して再生や停止ができます。
タイムラインの左上に、現在のプレビューの時間が表示されます。
スタートの時間が1からになっているのは業界のなごりです。おかしい訳ではありません。
画像の「01:00:04:02」では4秒2フレーム目です。
タイムラインの操作
タイムラインの上に操作ボタンがあります。ボタンの上にカーソルを置くとツール名が出るので自分の手で確かめましょう。
カットや長さの調整
Spaceで再生して、カットしたい箇所まできたら止めて、ctrl+bでカットします。
左右の矢印キー←→ を使って1フレームずつ移動したり、マウスを使って時間の微調整ができます。
次の画像のように、配置した素材(クリップ)の間をつまんでカットする位置をずらしたり、片方のクリップだけの時間も調整できます。
いらないシーンはBackSpaceまたはDeleteキーで削除できます。
隙間はクリックしてからBackSpaceやDeleteで削除できます。
テロップ
テロップを入れるには、上の「エフェクト」から「タイトル」の中にある「テキスト+」を使います。
インスペクタ(画面右)の入力欄に文字を入力します。
日本語を使う場合、対応していないフォントを使うと豆腐のような四角で表示されるため、日本語対応フォントを選びましょう。
インスペクタで拡大や位置の変更もできます。テロップだけではなく、動画や画像についても同じです!
たとえば、テロップのサイズを変えたい場合は「テキスト」の「サイズ」、位置を変えたい場合は「レイアウト」の「XやY」を変更します。
値のリセット
サイズや位置、色などを調整しまくった後にデフォルトに戻したい場合、リセットボタンを使いましょう。
各値の右の反時計回りのボタン、スライダーなら点を押すとリセットできます。
一括で戻したい場合は右上の+付きの反時計回りのボタンを押しましょう。
もちろんこのリセットはテキスト+に限らず、他の素材でも使えます。
テロップの縁取り
テキスト+での縁取りは「シェーディング」から行えます。
「エレメントを選択」のいずれかを押して、「有効」をクリックします。後は好みに合わせて調整するだけです。
タイムラインの構造
タイムラインで下にあるものは動画で奥に表示され、上にあるものは手前に重なって表示されます。
いわゆるレイヤー構造です。
トランジションの追加
動画と動画の切り替えのエフェクトである「トランジション」は、同じく「エフェクト」から追加できます。
どれくら時間をかけて調整するかの調整もできます。
たとえば「クロスディゾルブ」というトランジションを使うと、前の動画が徐々に消えていくと同時に、次の動画が徐々に映ります。
暗転したい場合は「カラーディップ」を使います。
音量調整
音量調整は画面右の「オーディオ」の「ボリューム」で行います。
音量調整の目安
音量を数値・視覚的に確認したい場合は画面上部の「ミキサー」をクリックして音量メーターを表示します。
このA1のメーターがオーディオ1というタイムラインのトラックの音量を表しています。
Bus1は全体です。バスに皆乗せてくぞというイメージです。
普通の会話なら”-12dB”(デシベル)でOKです。メーターの色でいえば黄色あたりです。
BGMはメインの音声よりも20dBくらい下げるのが一般的といわれています。
効果音は”-10”から”-20dB”の間が目安です。
驚かせたい場合は大きめに、演出の場合は会話を妨げない程度に調整すればOKです。
この値は”Ther Fairlight Audio Guide to DaVinci Resolve 18”の207、371ページを参考に記載しています。
書き出し方法
デリバーページ(ロケットマーク)に移動します。
プリセットが用意されています。目的に応じて使ってください。今回はカスタムエクスポートを使います。
「ブラウズ」を押して保存先、ファイル名を決めます。
ファイルのフォーマットは、特に指定がなければ無難なMP4にしましょう。後はデフォルトのままでOKです。
最後に、「レンダーキューに追加」をして「すべてレンダー」を押すと書き出しがスタートします。
書き出しが終わるとかかった時間と「完了」という文字が表示されます。
これで編集は終わりです。
効率化テクニック
ビン
素材が多い場合はビンというフォルダーのようなものを使うと整理できます。
「マスター」を右クリックし、「新規ビン」を押せば新しいビンが作れます。名前を決めたら、素材をD&Dでビンに入れて整理します。
素材の使い回し
「毎回テロップ作るの面倒だな~」という場合は、「メディアプール」や「パワービン」を使いこなしましょう。
たとえば、「1本の動画内で使い回したい素材」があるとします。これを毎回コピペして使い回すのは移動が増えて大変です。
そんなときはメディアプールに入れましょう。一度メディアプールに放り込んでおけば、撮影した動画や音声と同じようにタイムラインのどこにいても配置しやすいので、使いまわしやすくなります。
次のようなケースに便利です。
- 同じプロジェクトの中で繰り返し使うテロップ
- 動画の特定の範囲のみをタイムラインの数ヵ所で使う
別のプロジェクトでも素材を使いまわす
別のプロジェクトでも素材を使いまわしたい場合は、「パワービン」にぶち込みましょう。
パワービンの表示は、メディアプール右上のメニューから行います。
パワービンに入れた素材を実際に使うときは、まずパワービンからプロジェクトのビンにD&Dで入れ、その入れた方の素材を配置します。
パワービンから直接タイムラインへ配置すると、同じ素材がプロジェクトのビンに増殖するので注意です。
ショートカットキー
初心者が知っておきたい、Editページのタイムラインでのショートカットキーをまとめて掲載しておきます。
キー | 操作内容 |
---|---|
Space | 再生・停止 |
← | 1フレーム戻る |
→ | 1フレーム進む |
Shift + ← | 1秒戻る |
Shift + → | 1秒進む |
↑ | 前の編集点へ移動 |
↓ | 次の編集点へ移動 |
ctrl(⌘) + b | カット |
Alt(⌥) + スクロール | タイムラインの拡大縮小 |
ctrl(⌘) + スクロール | タイムラインの横の移動 |
スクロール | タイムラインの縦の移動 |
BackSpace | 選択した部分を削除し、隙間は残す |
Delete | 選択した部分を削除し、隙間は詰める |
, | 選択中のクリップを左に1フレームずらす |
. | 選択中のクリップを右に1フレームずらす |
次に、DaVinci Resolveでも使えるPCの基本のショートカットも載せておきます。
キー | 操作内容 |
---|---|
ctrl(⌘) + c | コピー |
ctrl(⌘) + v | 貼り付け |
ctrl(⌘) + x | カット |
ctrl(⌘) + z | 取り消し |
ctrl(⌘) + Shift + z | 取り消しの取り消し |
ctrl(⌘) + a | 全選択 |
もちろん他にもショートカットキーはありますが、最初から全部覚えようとしても結局よく使うのは限られています。
DaVinci Resolveに慣れてきてから、メニューの「DaVinci Resolve」>「キーボードカスタマイゼーション」からショートカットキーを確認したりカスタマイズしてみましょう。
以上、DaVinci Resolveの使い方の説明でした。
今回は入門ということで解説した機能はかなり絞っています。
DaVinci Resolveは多機能でいろんなことをやりたくなってしまいますが、そうすると無限に時間を費やしてしまいます。
初心者の方はまずは1本動画を完成させることを目標にして取り組んでみましょう。